「強がってんだよ…気づけバカっ。」
「、優。ほんとごめんっ。
俺が引きとめたりしなかったら
怒られたりしなかったよな、、」
こうくんが申し訳なさそうに
謝るから、余計に苦しくなる。
「ううん!違うよっっ。
こうくんのせいじゃない。私のせい。
お母さん、ちょっと心配性なんだ。
ごめんねっ、嫌なとこ見せて。」
ごめんね。 ほんとに、、
せっかくこうくんが楽しい時間をくれたのに、、
それなのにっ
私はこうくんに何もあげられない。
これで分かった。
私の性格は、家庭事情は、
周りの人を困らせる。
迷惑をかける。
私は周りの人に気を遣わせる存在なんだって分かった。
ごめんね、。こうくんっ…
「謝んないで、優。
今日一緒に帰れてすっげー幸せだった。
ありがとなっ。」
「こちらこそだよ、ありがとっ。」
「おう!あっ、ごめんな。時間とらせて。
家入りなっ。優のお母さん心配してるし」
「あ、うん…。」
家に入ったら。
私。どうなるんだろ…
家で私を待ってるのは、待ち構えてるのは
変わっちゃったお母さんだって
確信してる今。
言葉にもならない気持ちが
私の喉を締める。
「あのさっ優、もし何か抱え込んでんなら
いつでもいいから頼って欲しい。
待ってるから。」
ダメ。だめ。
ここで泣いたらダメ。
こうくんに背を向ける
「うんっ!ありがとっ。また明日。」
今にも溢れそうな何かを必死に堪えて
精一杯の声で応えた。
「また、明日なっ!」
背中越しに聴こえるこうくんの
優しい声。
その声にまた、
溢れそうな何かが押し寄せる。