「強がってんだよ…気づけバカっ。」
誰かが私の名前を呼んでる‥
誰だろう‥
「綾瀬さんっ!!!」
さっきよりもはっきりと聞こえる
その声に、鼓動が早まる‥
「、えっ、なんで?っ」
楠木くんがいるの?、、
会いたくなかった、、
会ってしまったら、きっと、、
私の決意が揺らぐ気がして‥
少しでも、楠木くんがいるこの世界に
残っていたくなってしまうから‥
「綾瀬さんっ、何してんの!!」
楠木くんの焦った表情が信じられなかった
なんで?、そんな焦ってるの?、
今から消えるんだよ?、、私。
楠木くんは私に消えて欲しいんでしょ?
だったら、そんな顔しないで
喜んでよ‥、、笑ってよ‥、、
「楠木くん、いっぱい迷惑かけて
本当にごめん。
もう、これで最後にするから、
だから、、許してくだ、、さい。」
「なっ、何言ってんの?、、綾瀬さん!!
迷惑なんてかけられたことない。
これで最後って、、、なんだよっ、!!
バカなこと言わないで‥」
こんなに、取り乱す楠木くんを
私は初めて見た。
「綾瀬さんっ、お願いだから
早くこっち側に戻って!!
そこ、危な過ぎる‥」
何言ってるの?楠木くん、、
「楠木くん、、私ね、
そっちに戻ったら、、きっと後悔する」
今消えられなくても、きっと、、
またいつか、周りを苦しめて、、
消えたくなる時が来る‥
そしたらね、きっと‥
その時、後悔するんだ、、。
なんであの時、あの瞬間、、
飛べなかったんだろうって、、
消えられなかったんだろうって、、
後悔する‥