「強がってんだよ…気づけバカっ。」


お店の中を案内してもらった後に
奥の部屋に通された



『あのー、もし無理じゃなければ
明日からでもお願いできる?』


優しそうな女の人は申し訳なさそうに
私にそう言った。

働かして貰えるだけでホッとした。

それに早く働き始められるなら
なおさら都合がいい


「も、もちろんです!!
ありがとうございます!!!」


うれしかった。
ほんのちょっとだけど
必要とされてるみたいで‥


『よかったぁ〜ありがとう!!』


そう言って、私の手を握ると
上下に激しく振る女の人。

ほんとに、優しそうな人だなぁ

なんて思っていると、、




「姉ちゃんー、何騒いでんの?」



なんて、不思議そうな声が聞こえた

それも聞き覚えのある声
安心感のある声



『あっ、湊!!、この子ね〜
明日からバイトしてくれことになったの」



えっ?、、みなと?、、、

今、湊って言ったのかな?、、


いや、でもきっと違うよね‥
そんな偶然ある訳ないよね、、



「へ〜、そうなんだ。よかったじゃん!」

なんて、後ろからする声


とりあえず、あいさつしないとだよね、、

そう思って振り返って


「よ、よろしくお願いします!!」


そう言って、目線を上げる。


目の前に立つ彼を見た時
鼓動が早まった。

目の前の出来事が夢じゃないかって
本気で疑ってしまう‥


だって、、、、だって‥



「えっ?綾瀬さん?!!!!」

「くっ、楠木くん!!!」



なんて偶然が起こってしまったから、、


私の目の前に立つ彼は、

間違いなく、私の大好きな人。





楠木くんだったから‥。
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