渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「馬鹿な女だ……」
「んっ……!?」
ガイアスは息つぎも出来ない程、何度も角度を変えて、カルデアの唇を貪るように口付ける。
「お前はっ、勝手に傷ついて……っ、俺の気持ちなど聞かずに、去ろうとする……っ!」
「んんっ……」
「お前がハミールの後宮へ行くと言い出した時は、気が触れそうだった!」
「ガイ、ふっ……ん」
口付けと共に、ガイアスの想いが苦しい程に伝わってきた。
最初は驚きに慌てていたカルデアも、与えられる口付けが、カルデアを想うからこその熱だと思うと、自然と受け入れていた。
「っ……カルデア、俺はお前がどんな過去を、国を背負おうと、お前を心から……愛している!」
「あっ……」
カルデアはハッとしたようにガイアスの顔を見つめる。
(愛している……)
その一言がずっと聞きたかったのだと、カルデアは思った。
全身を駆け巡る幸福に、カルデアはまた涙を流す。