渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「お前はその涙の一滴さえも、美しい……」
ガイアスが涙を舐めとると、またカルデアの唇に口付けを落とした。
先ほどの奪うような口付けではなく、優しく触れるだけの口付けだ。
「俺と生きる覚悟を決めろ、カルデア」
「ガイアス様……と、生きる……?」
「この俺が、国もお前も守れない男だと思うか?英雄王をなめてくれるなよ」
不敵に笑うガイアスに、カルデアは体から力が抜けた。
そして、恐る恐る両手を伸ばし、ガイアスの頬を包み込む。
突然の行動に、ガイアスは目を見張った。
「……もう、迷いません」
(覚悟を決めよう。この人が、私を愛すると心に決めてくれたように)
カルデアは、自分の決意から逃げないように、ガイアスから視線を少しも外さない。
「……ガイアス様、私は……っ」
「あぁ、お前の口から、聞かせてくれ」
ガイアスに優しく促されたカルデアは、フワリと笑みをこぼす。
「っ……あなたを、愛しております」
カルデアは二十四年間生きてきて、人生で初めての告白をした。
「カルデア……!」
ガイアスは溢れる愛しさに耐えきれず、カルデアを抱きしめながら寝台に転がる。