渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「ガイアス様ぁ、よ、呼び……んっ……からっ」
「んー?聞こえないぞ、ちゃんと言え」
(ガイアス様、聞く気ないんじゃ……!)
目に涙が溜まったカルデアに、ガイアスはフッと笑って唇を離すと、涙を舐めとる。
「ひ、酷いです……ガイアス様っ」
「様はいらない、ガイアスと呼べ」
また、体を近づけてくるガイアスに、カルデアは慌てて口を開く。
「っ……ガ、ガイアス……っ」
「上出来だ、愛しいカルデア」
ガイアスは褒めるかのようにカルデアの前髪に口付けると、体を起こし、カルデアの手を握り締める。
「カルデア、俺と結婚してくれ」
「あっ……」
「この命を懸けて、お前を永遠に守り、愛し抜くと誓う」
カルデアの手の甲に口付けたガイアスは、乞うようにカルデアの金の瞳を見つめる。
カルデアもまた、ガイアスの光の加減で琥珀色にも見える褐色の瞳を見つめ返した。
(この人と生きると決めた、だから……)