渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


「ガイアス様ぁ、よ、呼び……んっ……からっ」

「んー?聞こえないぞ、ちゃんと言え」


(ガイアス様、聞く気ないんじゃ……!)


目に涙が溜まったカルデアに、ガイアスはフッと笑って唇を離すと、涙を舐めとる。


「ひ、酷いです……ガイアス様っ」

「様はいらない、ガイアスと呼べ」


また、体を近づけてくるガイアスに、カルデアは慌てて口を開く。


「っ……ガ、ガイアス……っ」

「上出来だ、愛しいカルデア」


ガイアスは褒めるかのようにカルデアの前髪に口付けると、体を起こし、カルデアの手を握り締める。



「カルデア、俺と結婚してくれ」

「あっ……」

「この命を懸けて、お前を永遠に守り、愛し抜くと誓う」


カルデアの手の甲に口付けたガイアスは、乞うようにカルデアの金の瞳を見つめる。

カルデアもまた、ガイアスの光の加減で琥珀色にも見える褐色の瞳を見つめ返した。


(この人と生きると決めた、だから……)


< 121 / 205 >

この作品をシェア

pagetop