渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


「死が二人を分かつ? 俺達は死した後も永遠に共に在り、愛し続けると誓おう」


(ガイアス………)


「ふふっ、あなたらしい……」


誓いの内容を自己流にしてしまうガイアスに、カルデアは笑いをこぼした。


「コホンッ、汝、ガイアス・ナディアを夫とし、死が二人を分かつまで、共に生きると誓いますか?」


司祭は戸惑いつつも、あくまで形式的な誓いをカルデアにも問いかける。

カルデアは隣にいるガイアスを見上げた。



「私、カルデア・アルナデールは……」


(幽閉されていたあの塔から、消せない過去の闇から、ガイアスだけが私を、光ある場所へと連れ出してくれた)


カルデアの視線に気づいたガイアスが、笑みを浮かべる。
それに釣られて、カルデアは顔を綻ばせた。


「死した後も永遠に、ガイアス・ナディアを愛し続けると、ここに誓います」

「それでこそ、俺の王妃だ」

「あっ……!」


形式も滅茶苦茶に、嬉しそうにカルデアを抱き上げるガイアス。

そのまま、自分の花嫁を自慢するかのように、クルクルと回り出した。

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