渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「ここにいる全ての者に誓おう、俺はカルデアと夫婦になると!」
「ガイアス……ぷっ、ふふっ」
「いい笑顔だ、カルデア」
笑顔を交わすカルデアとガイアスを、使用人や他国の王、大臣や側近、兵士たちも温かい目で見つめていた。
「愛している……狂おしいほどに」
「私も……愛しております」
ガイアスの唇がカルデアの唇に重なると、誰が降らせたのか、雪のようにハラハラと色とりどりの花びらが舞った。
「全く、私の主はかなりのお馬鹿さんですよ」
「でも、お二人が幸せそうなら、いいじゃありませんか!」
シュドの呆れた声とマオラの明るい声が耳に届く。
沢山の人に祝福されるという幸せを、カルデアは初めて知った。
「お前は、禁断の果樹のように甘い」
「んっ……」
(それは、ガイアスも同じだわ……)
むせ返る様な甘い香りの中、カルデアはガイアスの唇以上に甘いモノはない事を知る。
胸の中には、愛しさという幸福が満ち溢れていて、カルデアは世界一幸せな花嫁だと、心の中で思うのだった。