渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「いやぁ、本当に滅茶苦茶ですね」
「思い立ったらすぐ行動、時間は有限だ!その間、ルドルフ大臣はカルデアを守る策を練ってくれ」
ガイアスから早速命を出されたルドルフ大臣は、「承知しました」と強く頷く。
「カルデア、アルナデール国へ向かうぞ」
「ガイアス……えぇ、私ももう逃げない」
(あの国の舵を国王の手から奪い、アイルを国王にする。そして、国として成り立たせなくては)
帰還していくナディア国の船を見送り、残った半分の海兵と側近と大臣達と共に、奴隷船でアルナデール国へと向かう。
(待っていて、母国、アルナデール……)
カルデアはガイアスの隣に並び、明け始めた水平線を見つめて、強く意思を固めた。