渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「だが、俺は物足りない」
「え?」
「口付けは頬ではなく、唇にしろ」
ガイアスは話している間にも、カルデアに顔を近づけていく。
少し首を傾げるガイアスに、カルデアは恥ずかしがりながらも、受け入れるように静かに目を閉じた。
「んんっ……」
唇が重なると、カルデアは愛する人と触れ合う喜びに、心が震えるのを感じた。
一晩離れただけでも、カルデアは耐えようのない寂しさに襲われた。
(この人を、心の底から愛してる。私はもう、ガイアス無しでは生きられないんだわ……)
そんな事を考えながら、ガイアスに与えられる温もりをひたすらに感じる。
口付けがどんどん激しくなっていくと、カルデアは堪らずガイアスの胸を押した。
「ガイアス、苦しい……っ」
「観念しろ、お前の事に関しては貪欲なんだ」
有無を言わさずに、ガイアスはカルデアの押しのける手を再び寝台に縫い付けて、その唇を貪った。
触れ合う度に激しさは増して、意識が朦朧としてくる。