渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
❅エピローグ❅ 旦那様のリクエスト
アルナデール国の城に滞在して一週間。
アイルはガイアスと共に大臣達に働きかけ、国王即位の賛成票を過半数以上集めると、ようやく可決に漕ぎ着けた。
そして今日、晴れてアイルの戴冠式が行われた。
「ここに、アルナデール第四十二代国王、アイル・アルナデールの即位を認める」
その瞬間、歓声が沸き上がり、カルデアは静かに涙をこぼした。
夢にまで見た、光景だったからだ。
そして、司祭によって冠を与えられたアイルは、新国王として民の前にお披露目された。
「長らく皆を苦しませてしまい、本当にすまない。これからはこの私が、皆がそれぞれ生きる意味を見い出せる様に尽くしていく事を、ここに誓う!」
アイルは堂々とした態度で、宣言した。
何かが変わるかもしれないという希望に、民たちは喜び、何年ぶりかに町は賑わった。
アルナデール国はやっと、建国への道を歩み始めたのだ。
また、ガイアスの提案でナディア国とアルナデール国は同盟を組み、ようやくガイアスとカルディアにも平穏が戻った。
戴冠式の後、カルデアはガイアスと共に後夜祭にし、翌日にはナディア国に帰るため、港に来ていた。