渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「鷹狩で大きな獲物を捕えられれば、お前も喜ぶと思ったんだが……」
(ガイアス様は、本気で私が喜ぶと思ったのね)
そんなガイアスの行為に嫌だとも言えず、カルデアは困ったように笑って、鷹の背に手を伸ばすと撫でてみる。
「大人しい……のですね」
「っ……あぁ!ジルは鷹狩の大会でも優勝しているのだ。頭が良くて、人に危害は加えない」
カルデアが話しかけると、ガイアスは嬉しそうに答える。
(ガイアス様に笑顔が戻られて良かったわ)
ガイアスはその後もは楽しそうに鷹の話をした。
カルデアは最後の方、鷹の話よりもガイアスの笑顔にばかり気を取られてしまい、胸の鼓動が激しくなった。
「だから今度は、カルデアにも鷹を……」
ガイアスが何か言いかけた時だった、カルデアとガイアスは突然雨に降られる。
「山の天気は本当に変わりやすい。カルデア、城に戻るぞ」
ガイアスは荷に積んでいた日焼け防止のために用意していたローブをカルデアの頭に被せると、抱えるようにして馬に乗せる。