渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「愛という事にしておけ、カルデア……」
「っ……それは……」
(だって、私は未亡人なんですよ……?)
そう言葉にしてしまいそうになり、カルデアは唇を噛む。
自分はガイアスとは釣り合わないと自覚する度に、カルデアの胸が絞ったような苦しくなる。
「俺に身を委ねて、愛だと錯覚してしまえばいい。その内、本当の愛に変わっていくかもそれないぞ?」
「……それは、出来ません」
「何故だ」
「……たとえ、偽りでもあなたには……幸せになって欲しいと願うからです、ガイアス様」
(心からで無いとはいえ、一度誰かに愛を誓った私とではなく、あなたに初めて愛を誓える女性と……幸せになって欲しい)
それを心から望んではいないのだと、カルデア自身も気づいていた。
胸に広がっていく悲しみに気づきながらも、カルデアは笑顔を貼り付ける。
作り笑いを浮かべる自分に、カルデアは自己嫌悪に陥りそうだった。