愛してるじゃなくて好きだと言って
「袖って何の意味があんの」
「ここしかボタンないんだよ、察せよ」
「いやぁ、学校のモテ男ツートップに袖のボタンをもらうなんて役得だね」
「ふふふ、うちラッキーガールすぎだわ」
手のひらで転がされる2つのボタンは太陽の光を浴びて鈍く光っていた。
「にしてもどうやって飾ろうかな」
ボタンを無造作にポケットにつっこむ彼女に理が大事にしてよね!?と食ってかかったのを見て声を上げて笑った。
あぁ、楽しかったなぁとしみじみ呟いた彼女の声は今でもよく思い出せる。
名残惜しそうに、嬉しそうに、愛しい日々を懐かしんでいた。
渡したボタンは今どうなっているんだろう。