キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。

目が覚めた

声が聞こえる…まだ眠いのに…。
「お…ねぇ…ちゃ…お…て」」
徐々にはっきりして来る声の主は誰だろうか。馬鹿でかいぞ。
「お姉ちゃん！起きて！」
耳元で言われたのか耳鳴りがする。びっくりして飛び起きてしまった。
バサッ！ドッドッドッド。
「あ…起きた！お母さん！起きたよ！」みこは泣きながら抱き着いてきた。
「あ、こ？あこが起きたわ！ねえ！叶愛子！」お母さん…夢の中で見た叶愛子さんと同じだ。前のお母さんも居る。
「みこ…私、おばあちゃんに…会った。」私は思い出しながら言う。
暖かかった。生きてるって感じがした。
「え…。お、ばあちゃんに、会ったの？なんて…言ってたの？」
「私にはまだあの世は早いって皆にもよろしく！って言ってた未練なさそうだった。」
「そっかぁ。あ、そうだ！あこが寝言でお母さんは叶愛子だって言ってたけどうそだよね！？お母さん！答えてよ？！」
お母さんは青ざめた顔をして泣き出してしまった。　
「そうよ。あなたたちは叶愛子の娘。麗夜君は私の息子。ごめんなさい。今まで黙ってて」
「私夢見てたの長い夢。その中でね？未来って子とか来斗って言う子、麗夜とかなとくん、そしてみこが出て来たの。楽しかった。お別れするのが恋しかった」
思い出すと涙がぽろぽろあふれ出てくる。
「あたし達が出て来たんだ…。何て私言ってたの？」
「女の子を妊娠したって。」
「え！そうなの？！あたし夢の中でネタバレしてたんだ！」