キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。

その時おかしいなそう思った。だってさっきまでの寂しい気持ちが綺麗さっぱり消えている。
逆に操り人形のように気持ちまで操られてるみたいだ。
声が聞こえる。お母さんかな？
「あ…こ…し…だめ…よ。お…て」何言ってるのかな？
「あら？お母さんがお呼びみたいよ。行きなさい。行き来出来るようにしといたから」
へー。って！そんな短期間で出来るかっつーの！まぁいいや。行くから！
「ここから呪文を唱えるの。行き来あこ出来る。って10回唱えるの。そしたらいつのまにかあちらへ行くから」真顔でそういわれた。
「そうなんだ！じゃあ行くね」
そして私は目の前には出て来た扉を開け走った。
「行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。行き来あこ出来る。」
パアッと明るくなった。また後でね。皆。
そして私は…消えた。その後私は夢の中での皆の前でもう二度と姿を現す事が無かった。
夢の中でのみこはこれを狙いだったということがその日の夜分かった。
私が用件を済まし戻ろうとすると扉が消えていた。
私は焦った。どうしよ。弁償かな？お金無いよ！どうしよ！
パニックになったとき私はおばあちゃんに言われて仕方なくトボトボと戻って行った。
結局あの世界にはもう二度と入れない。