キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。
『あっちゃん?』

『そーだよ!たっくん大丈夫?まだいたいたい?』
心配している顔で顔を覗き込むあこ。

『ううん。もう大丈夫!』
そう俺は行ったらしく、安心したのか、
そのあとあっちゃんとあっちゃんのお母さんは帰っていった。

その日の夜、病気の名前を聞かされたのをよく覚えている。

『まま!僕って病気なの?』

『そーよ。でも大丈夫よ!手術すれば治るから!』

『病気の名前は?』
俺は好奇心でお母さんに聞いた。
お母さんはゆっくり、教えるように、
『それでね、病名はね心房中核欠損症よ。』
といった。

最初は幼かった俺には分からなかった。

『それってなぁーに?』
首を傾げる俺。

『心臓に穴が開いてるのよ。』
お母さんは淡々とした声でそう答えた。
…そういや昔こんなことあったな。
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