キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。

その後私達はそれぞれの道で帰った。
私はその夜、拓の事で頭がいっぱいで眠れなかった。
やっと眠れたとき、また夢を見た。
『たっくん！あのね、聞きたいことがあるの。』
今回は今までと違うかもしれない。

『なーに？』
首を傾げて拓は言った。かわいらしかった。

『病気の事！たっくんは手術しなきゃならないんだよね。』
不安げに拓に聞く幼い私。

そんな不安げな私をよそに、
『そんな訳ないじゃーん。僕はただたんに病弱なだけだよぉ。誰からそんなの聞いたのぉ？』
と笑って拓は言った。

『あのねぇ。私が入院してたときのねぇ、看護師さん！気難しい顔してた』

その瞬間たっくんは顔が引きつった。
『あれ？たっくん。どーしたのぉ？』
『ごめん。あっちゃん。僕ね…』
あともう少し、と言うところで私はまた目が覚めた。