キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。
「お、おい!死ぬな!」 
後ろで何か言ってるけど分からないくらい支配されてる。
「死ななきゃ!死ななきゃ!」口が勝手に動く。
そして…飛び降りた。
ドサ!
夢を見た。フワフワしている。
ゆめかわいい空の上に浮いている。
目の前には死んだはずのりこちゃんがいた。
「お姉ちゃん。お姉ちゃんは生きなきゃ。あたしはたまたま手術中に死んだだけでお姉ちゃんはまだ生きてるんだよ。ここは生まれ変わるか天国に行くかの分かれ道。あなたは半分死んでるだけだからどうせ目を覚ますわ。あ、目を覚ますみたいよ。バイバイ。お姉ちゃん。」 
バイバイ。ありがとう。りこちゃん。
次に目を覚ましたのは同じ病室。
目を開けると目の前には隣の部屋の男の子。
「あ。目覚ましたか。」
「何でこんな所に?てか私、死んだんじゃ無かったっけ?」
「あぁ。手遅れだったら死んでたぞ。」
「あ、そうだ。あなたのお名前って何?」
「元気。菊地元気。お前は田中あこだよな。」
「そうだけど。私のお母さん達来ないの?」
「もうすぐ来るってよ。」
「そか。元気はお母さん来ないの?」
「あぁ。捨てられたからな。施設で過ごしてきた。」
「え、あ。そうなんだ。何か、ごめんなさい。私、不謹慎過ぎるよね。」
「いや。良いんだ。いつか話す予定だったし。」
そういえば何でこんなに仲良くなってるの?
私はそのまま疲れて夢のなかに入って行った。
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