キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。
「おはよぉ。あこー拓くんの事分かったぁ?」

「うん。何かね、ごめん。って言われた。」

「?どぉーいうことぉー?」
みこは、何言ってるのか分からない、という顔だ。

「多分何か隠してたんだと思う。しかも、引越しする前だし。」
そこだけは分かった、謎解きを解いている気分で今は夢を見ている。

「そっかぁ。でも隠し事って何だろうねぇ。」
そこが未だに謎だ。

「てかみこ。寝ぼけてるじゃん。ごめん。ほっぺ叩くね。」
語尾が長いときは大体寝ぼけているときだ。

「はっ!あこ。おはよ。」
やっと起きたようだ。
「また寝ぼけてたからほっぺ叩いたよ。」
よくあることだ。日常茶飯時である。

「ありがとー!あこはやっぱ頼りになるー!」

「全く、私はみこの母親かっての。」
「良いじゃん!お母さん!」
いつもこの調子である。全く困ったものだ。
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