キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。
優子Side
まさか死ぬなんて思わなかった。何で?
私は田口優子。片思い中だった。
その相手は電車に引かれて死んだ…らしい。
今でもその事が信じられない。 
私は毎日のように元気のケータイに電話した。
でも…『現在この電話は使われておりません。』と言うアナウンスばかり。
その度に涙があふれ出てくる。ついにはとじこもってしまった。  
そして悟られた。元気は…本当に亡くなったのだと…。
しかも目の前で見てしまったのだ。引かれる所を。
お葬式は号泣だった。元気のご家族さんになだめられたけど、誤ってばかりだった。
お別れの瞬間はぺたんと座り込んでしまった。
私は…あの時何をしたかったのか。
それは…幼なじみが亡くなったから悲しくて傍にいてほしくて呼んだのだ。
それなのに…彼は目の前で…死んだ…。
今思えば私の周りの人は皆死んでいく。最近私のあだ名が死神…だ。
そのせいで仲良かった友達も皆離れて行った。
だから元気と友達になれてほんとに良かったの。
でも元気には田中あこっていう彼女がいた。
あことも仲良かったけど、周りに流されやすい子だったから離れて行った…。
そんなあこも私のせいで病気にかかり、入院してしまった。
だから私は偽名を元気のまえで使った。
本名は…高津美菜子。
あこと仲良かったから聞いてるかな?あこに気づかれたかな?
とりあえず…また明日考えよ。
お休みなさい。元気。
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