キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。

私は夢なんて見れなかったが、気持ち良く眠れたと思う。
でも、気絶して眠ったんだからと思うと変な感じ。
目を覚ますと心電図モニターがついていた。
たまに見かけるけど…これ怖いんだよね。
いつか0の数値になって死んじゃうんじゃ無いかって。
コンコン
「あこちゃん。体調大丈夫?昨日気絶したじゃない?」
不安そうな表情で富田さんが聞いてきた。
「まぁそこそこ大丈夫ですけど。」私は苦笑いして言った。
「そう。昨日はビックリしたわねー。私も心臓止まるかと思ったわ。」と富田さんが言った。
「私もです。危うく早死にするとこでした。この病院で血まみれの女の人の霊が出るって本当でしたね。」
すると富田さんは青ざめた顔をしてこう言った。
「そんな噂、初めて聞いたわ!どこでそれを知ったの?」
「確か…未来ちゃんと来斗君からでした。」
「っ!それよ!来斗君と未来ちゃんは亡くなってたの。確か…10年ほど前だったかしら?この病院で手術中二人とも亡くなったんですって。」
え…。だから看護師さんとかも皆二人分のご飯とか出さなかったんだ。
だとしてもみこと私に見えるのはおかしいよね?
それに二人の親も見えてるらしいし。
う~ん。不可解なことばかりだな。あの二人。
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