キミとの記憶を失って、また過ちを犯しても。
目の前にはキラキラとした私がいた!
そして服を渡された。オニューらしい。
来てみると…ふんわりとして見るからに優しい女の子ですよアピールじゃないか!
何と、ピンクと白のワンピ!羽が生えているように幻覚するくらいふわふわしている。
「うわー。すんごい似合ってるー!ね!拓君!」
「ん。そだな。似合ってる。みこ。」
「みこかい!ズコー!図工、図工、体育、体育。好きな時間割」
ハッ!ゆらやんレトリバァの真似してもうた!
「急にお笑いに目覚めた!?お姉ちゃん!」
う…。実は私、お笑い芸人になりたいんだよね。
「私、お笑い芸人になりたかったのよ。昔から。」
「マジかよ。お前。じゃあピン芸人だな。」
ガーン!一人でやるなんて無理無理無理無理無理無理無理無理!
ピン芸人って聞いて私は頭が真っ白になった。ピンゲイニン?ヒトリボッチ…。
「おい!お前大丈夫か?!顔が真っ青だぞ!」
そんな声は私に届かなかった。
「マタヒトリボッチニナルノ?ヤッパワタシニハヒトリガオニアイナンダネ。アハハハハッ!」
ワタシワ、タククンガナニカヲイッテルトキ、ヒトリデオカシクナッテイタ。
「お姉ちゃん!しっかりしてよ!イケメンがそんなんじゃ引くよ!」
ソウダッタ。キョウワイケメンガクル。シッカリシナキャ!
「イケメンが来るんだ!しっかりしなきゃー!」
私は正気を取り戻した。
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