その少女、悪魔につき
「すみません、遅れました。」

飄々とした表情で、教室に入ってきた花ちゃん。

あぁ、貴女は美しい。
なんで。どうして。


同じ人間なのに、彼女だけずば抜けて美しい。

羨ましい、なんていう感情よりも「自分のもの」にしたいという、欲望の方が勝ってしまう。


私は変な人間。




皆、私のことを嫌な風に言っている。


もう、媚売りなんかじゃないの。

勘違いは良してくれるかな。
私のは媚売りじゃない。



私のものにするための仲良しごっこ。


「華ちゃん華ちゃん!」



華って名前も美しい。



華やかさを纏った、華ちゃん。


さぞ、華ちゃんのお母さんのセンスは良いのだろう。



「美海ちゃん、ごめんね遅れちゃった」



でもね、貴女の心理は読めているんだよ。




















「ううん、良いの!」









だから、私は貴女のために
従順な子犬を演じてあげるね。
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