その少女、悪魔につき
美海ちゃんは、従順な子犬ちゃん。


本人には言えないけど、そうとしか思えないほど、この子は素直すぎる。


多分、私の為なら何でも尽くすのだろう。
例え、私が死んじゃえば?って言ったら本気で死ぬんだろうな。


言わないけどね。自分のイメージは崩さない主義だから。


音楽の授業は一番退屈である。

歌聞いて、歌って、それで終わり。

実技とか言っておいて、リコーダーとか弾いて終わりなことが一番多い。


まぁ、それは建前だったりするんだけど。


本音を言うと、私は音楽が苦手なのだ。
音階は一応読めるけど、一発で読めるか、と問われれば「できない」と答える。


音は外れるし、確かに音色は綺麗だけどもそれを保つのが出来ない。

歌を歌うのも別に好きでもなく、嫌いでもない。

音痴でもないんだけど、歌うのがあまり好きじゃないだけ。





「ねぇねぇ、華ちゃん、私ね今度この歌演奏するんだよ〜」


音楽の教科書を先生に言われてもいないのに、美海ちゃんは勝手に開いている。


先生に怒られないかと思ったけど、彼女が楽器を弾くことに対する好奇心の方が、注意せねばならない、という気持ちよりも勝っていた。


「へぇ、そうなんだ…
美海ちゃんは吹奏楽部なんだっけ?」


吹奏楽部。私が一番毛嫌いしてる。
性格悪い人多いし、好まない。



単純な理由でも、私は人を嫌う。



「ううん、個人的に演奏とかしててね〜」

「趣味、なんだ?」

「そうなの、私小さい頃から楽器が大好きでさ」









へぇ、趣味。





「楽しそうだね」


私の趣味って、美しくなることかな。














ふと、そう思った。
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