その少女、悪魔につき
男の人は、いくつになっても子供なのよねぇ。
母が言っていた、その言葉。
女の子は、大人になれるの?
そんなことを、母に聞いてた気がする。
その時は、母は誤魔化していた。
そして言った。
「何時か、分かるわよ」
その時の母の笑顔はとても輝いていた。
多分、その笑顔こそが正解だった。
女の子だって、いつでも子供になっちゃう。
初めて、授業をサボりたいなって思った。
まだ、このままで居たいなって。
我儘な私が現れた。
先程いた場所から第1音楽室までの距離は案外遠いもので、この校舎は広いからかなり着くまでに時間がかかる。
「ほんと疲れるな、この学校って」
「母校にそんなこと言っちゃダメでしょ」
そう、先生の母校なのだ。ここは。
お母さんには違うところに行きなさいって言われた。
貴女のレベルなら、もっと上のところへ行ける。
確かに、この学校は私のレベルよりかは低い。
だからと言って、平均して頭が悪いわけでもなく、それなりに偏差値は高い。
だから、私は中学校生活最後のテストで、私が取るはずのない点数を取って、今までの『良かった平均』を少しだけ下げた。
この学校に行きたかったから。
先生が、ここで先生をしているのを知っていたから。
「私、この学校好きだよ?」
「へぇー。まぁ、綺麗だしな〜」
先生は嫌いなのかな。
好きだったらいいのに。
好きだったら、お揃いだ。
「ほれ、着いたぞー」
「んー、先生言い訳してよね?」
ガラッと開けて、生徒の目が先生に集まった。
前に立つ、大きな背中は
「……すき……」
口でそう語っても、気づかないの。
母が言っていた、その言葉。
女の子は、大人になれるの?
そんなことを、母に聞いてた気がする。
その時は、母は誤魔化していた。
そして言った。
「何時か、分かるわよ」
その時の母の笑顔はとても輝いていた。
多分、その笑顔こそが正解だった。
女の子だって、いつでも子供になっちゃう。
初めて、授業をサボりたいなって思った。
まだ、このままで居たいなって。
我儘な私が現れた。
先程いた場所から第1音楽室までの距離は案外遠いもので、この校舎は広いからかなり着くまでに時間がかかる。
「ほんと疲れるな、この学校って」
「母校にそんなこと言っちゃダメでしょ」
そう、先生の母校なのだ。ここは。
お母さんには違うところに行きなさいって言われた。
貴女のレベルなら、もっと上のところへ行ける。
確かに、この学校は私のレベルよりかは低い。
だからと言って、平均して頭が悪いわけでもなく、それなりに偏差値は高い。
だから、私は中学校生活最後のテストで、私が取るはずのない点数を取って、今までの『良かった平均』を少しだけ下げた。
この学校に行きたかったから。
先生が、ここで先生をしているのを知っていたから。
「私、この学校好きだよ?」
「へぇー。まぁ、綺麗だしな〜」
先生は嫌いなのかな。
好きだったらいいのに。
好きだったら、お揃いだ。
「ほれ、着いたぞー」
「んー、先生言い訳してよね?」
ガラッと開けて、生徒の目が先生に集まった。
前に立つ、大きな背中は
「……すき……」
口でそう語っても、気づかないの。