スクールシンデレラ
第2章 兵藤蓮
その日はとても暑かった。
夏休みが開けて最初の登校日。
いつも通り教室に入り、黒板を見る。
私は驚いた。
いつもなら、私の悪口が黒板いっぱいに書かれているのに書かれてなかったからだ。
分厚いレンズをゴシゴシと拭いて再度見直す。
しかし、やっぱりそこには何も書かれていない綺麗な緑色が広がっていた。
唖然として、しばらくボーッと突っ立っていると、遠野亜子がバレーボールを投げつけてきた。
ーーードタンッ
体が横倒しになり、周りの生徒たちが笑い出す。
3年生にもなると日常化して誰もが見てみぬふり。
悪いことをしているってことは更々頭に無いらしく、笑うだけ笑っている。
「ボーッと突っ立ってんじゃねぇよ、どぶ犬!」
「あなたにはあなたに相応しい仕事を用意してるの」
「みんな教室から出て~。どぶ犬が教室のお掃除しま~す」
何で?
何で、私1人?
何で、今?
疑問の全てを飲み込んで、ただただクラスメイトが教室を去るのを待った。
「じゃあ、お掃除よろしくね~」
「綺麗にしないとやり直しさせるから」
「そうそう。今日はイケメンがやってくるから、バッチリキラキラのピカピカにしてもらわないと~」
は?
イケメン?
そんな人、居たっけ?
もしかして…ーーー
転校生!?
「まあ、あんたみたいな地味女には近づけ無いけどね。汚染されちゃう」
「あぁ、楽しみぃ」
「想像するだけでうっとりしちゃう」
「とにかく、どぶ犬はさっさと掃除して!!あと15分で来ちゃうんだから」
ボスの遠野亜子に釘を刺され、私は一切の妄想を遮断し、黙々と掃除を進めた。
どうか私の存在に気づいて下さい。
ただそれだけを願って雑巾をかけた。
夏休みが開けて最初の登校日。
いつも通り教室に入り、黒板を見る。
私は驚いた。
いつもなら、私の悪口が黒板いっぱいに書かれているのに書かれてなかったからだ。
分厚いレンズをゴシゴシと拭いて再度見直す。
しかし、やっぱりそこには何も書かれていない綺麗な緑色が広がっていた。
唖然として、しばらくボーッと突っ立っていると、遠野亜子がバレーボールを投げつけてきた。
ーーードタンッ
体が横倒しになり、周りの生徒たちが笑い出す。
3年生にもなると日常化して誰もが見てみぬふり。
悪いことをしているってことは更々頭に無いらしく、笑うだけ笑っている。
「ボーッと突っ立ってんじゃねぇよ、どぶ犬!」
「あなたにはあなたに相応しい仕事を用意してるの」
「みんな教室から出て~。どぶ犬が教室のお掃除しま~す」
何で?
何で、私1人?
何で、今?
疑問の全てを飲み込んで、ただただクラスメイトが教室を去るのを待った。
「じゃあ、お掃除よろしくね~」
「綺麗にしないとやり直しさせるから」
「そうそう。今日はイケメンがやってくるから、バッチリキラキラのピカピカにしてもらわないと~」
は?
イケメン?
そんな人、居たっけ?
もしかして…ーーー
転校生!?
「まあ、あんたみたいな地味女には近づけ無いけどね。汚染されちゃう」
「あぁ、楽しみぃ」
「想像するだけでうっとりしちゃう」
「とにかく、どぶ犬はさっさと掃除して!!あと15分で来ちゃうんだから」
ボスの遠野亜子に釘を刺され、私は一切の妄想を遮断し、黙々と掃除を進めた。
どうか私の存在に気づいて下さい。
ただそれだけを願って雑巾をかけた。