紫陽花が咲く頃に


「ありがと、感謝します」


「いえいえ、こちらこそ」


駅に着き私に感謝を述べると、人混みに紛れすぐにいなくなって行った。


「ー...!ーー、ー...ー?」


後ろから聞き取りづらいが、大好きな凜の声が聞こえた。急いできてくれたのかと、振り返ると



私と同じ傘に知らない女と相合傘をして楽しそうに話を弾ませて、歩いていた。


「.....へぇ?」


その女は、私よりも身長が高くてすらっとしたモデル体型。しかも超のつく美女。


そっとバレないように人混みに紛れて、凜に近づく。


「...そーゆー女がタイプ?」


丁度横に来た時に話しかけた。
すると凜は、ハッとしたようにこちらを見つめる。

女は 何コイツ みたいな目付きで私を見る。ムカつく、私が彼女なのに...

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