ワケありルームシェア 2
そっと近づいて、俺も螢立ちにお別れを告げる。
「良かったな、螢。じゃあ、兄ちゃんは迎えが来るから。澪月ちゃんもじゃあな。」
「うん、じゃあね。」
澪月ちゃんは驚いた顔をしてた。螢は気づいてたのかもしれない。

そして、駅から立ち去る。


駅の近くに止めてあった車に乗る。
「遅いですよ、音無さん。」
運転席にいるのはスーツを身に纏ったメガネの女性。
「もしかしたら、妹ができるかもしれない。」
「はぁ、また弟の話ですか……。」
呆れ顔。この人が同僚の怖い人。
「螢には、もう俺は必要ないかもな…。」
螢も高校生だ。自分の生活くらいどうにかしてしまう歳だ。そう思うとなんだか寂しい。
「そう思ってるのは音無さんだけだと思いますけどね。」
「そうかなぁ。」
「とりあえずいじいじしてるのウザいんでやめてください。」
「君は時々ひどいよね!」
でも、ま。最後まで面倒見てやるのも兄ちゃんの役目だろ?


「よし!仕事頑張るか!」
「いつもそれくらい頑張ってください。」
「分かってるよ!」
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