ワケありルームシェア ２

「チョコレートケーキか迷ったんだけどね、家にチョコレートがなくって。イチゴケーキが好きって言ってたから。……。チョコが良かった？」
「別に、甘ければいい。」
「そっか。」
黙々と食べ続ける。哀川さんも少しづつ食べている。

だけど、途中から視線を感じる。
「何…？」
「え、あ、いや………。」
と、言って頬を指さす哀川さん。
言われた通り頬に触れると、クリームが付いていた。
「うわっ、付いてた…。」
「そんなに夢中になって食べてくれるほど気に入ってもらえるなんて思わなかったなぁ。良かったぁ。買ってきた方がいいなんて言われたら………。」
どうしよう、とオロオロしだす哀川さん。その行動すらも可愛く思える。
「哀川さん、ほらここ。」
哀川さんがしたように自分の頬を指さす。
そこには僕と同じようにクリームがついていて。
「えっ、ほ、本当だ。えへへ、同じだね。」
そう言って笑う哀川さん。