ワケありルームシェア 2
澪月side

掃除機をかけるが、脳が全然掃除に集中しない。
_______________ひ、緋山君が近かった………っ。

あんなに人に近づいたのは初めて。
しかも、男の人…。だけど、不思議と嫌な感じ、怖い感じがしなかった。きっと、緋山君以外の人だったら怖くて動けないと思う。
緋山君に引っ張られてからずっと心臓がうるさい。

「うぅ、恥ずかしかった…………。」

怖い感じはしないのに、恥ずかしい。
よく分からないけど、緋山君は怖くない。
今まで、握手とかで慣れてるからかな…。だけど、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
「どうしよう、恥ずかしくて顔が見れない…。」
前の時よりも恥ずかしい。こ、これってどうやって顔みたらいいのかな。ひ、緋山君は私なんかと近づいてもいいのかな。
考えれば考えるほど、マイナス思考に陥る。
こういう時こそ前向きにならなくちゃ!
別に、緋山君だって深い意味はないはず…。

「ふ、深い意味ってなんだろう………。」

こんなハプニングからルームシェア15日目が始まった。
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