ワケありルームシェア 2
歩く。本屋に向かって。
「………ねぇ、哀川さん。暑くないの、特に髪。」
「えっ、………暑いよ。でも、髪は切りたくないの。」
お姉ちゃんと同じ髪だから。
「そう。別にいいけど……。早く行こ、暑いから。」
そして、緋山君は歩くスピードをあげた。
だけど、私がついてこられる範囲で。



「涼しい…。」
「うん。涼しいね。生き返るね!」
前また時から少し興味があった、という緋山君。あ、そっか。眞白先輩のときに少し見たんだっけ。

「緋山君、見てきてもいいよ?」
「いや、哀川さんが迷子になりそう。」
「えっ!?」
真顔で言われて驚く。そ、そんなに頼りないかなぁ。
「いや、哀川さんが買う本を見てから僕の探しに行くから。あ、それとも買う本見られたくない人…?」
「え、ううん!全然いいよ!」
「じゃあ、行こ………。」
そうして、緋山君も一緒に行くことになった。

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