ワケありルームシェア 2
そして、たどり着いた本棚。

「哀川さんが探してた作家って……。」

私が探してたのは、“島崎藤村”の本。
「随分と古いの読むんだね。」
「そ、そうかな…。最近、古典とかの勉強してて昔の人の本が気になってたの。」
太宰治や、夏目漱石、谷崎潤一郎など。国外ではドフトエフスキー、ゲーテ、シェイクスピア、エドガー・アラン・ポーなどの本を読んだ。
「読んでみるとね、面白いんだよ。」
「へぇ……。哀川さんって、本読んでるんだね。あまり見ないけど…。」
「よ、読んでるよ。読むのは遅いけど…。」
そんなことを話しているうちに本を手に取る。

「じゃあ、次は緋山君だね!私もついて行っていいの?」
「ついてこないと迷子でしょ。」
「迷子にはならないよ!…………多分。」
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