ワケありルームシェア 2
螢side

また哀川さんが自分の部屋を使っていいなんて言うから驚いた。無自覚なのかけいかくてきなのか。きっと、哀川さんは何も考えずに人のことを思ってやってるんだろう。
でも、いくら年下だからって部屋で寝かすのは辞めてほしい。

「彗の荷物、部屋に運んでおく。」
「あ、ありがとう!」
彗が風呂に行っている間に彗のものを僕の部屋に運び込む作業をする。
まぁ、服とかタオルくらいしか入ってないから、別に場所には困らない。

「彗君って、小さいんだね。澄君が大きいからもっと大きいのかと思ってた。」
「……多分だけど、彗は今頃澄と同じくらいの身長に育ってるはずだったんだけどね。」
あそこの家は、親が特徴的だ。

「澄がお金にこだわるのもここに理由があるんだと思う。」
「え?」
「まぁ、詳しい理由は知らないけど、澄ならうまくやってると思う。」
「…澄君だもんね。でも、本当に大変になってたら手伝おうね。」
「まぁ……、うん。」
手伝うって何を手伝うんだろう。澄がやってる事は反対だ。哀川さんが傷つくと思うから。

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