ワケありルームシェア 2


僕達は支度を終えた。
今日は半日で終わるらしい。
「彗君は学校どこ?」
「あ、いや、俺学校もう休み、だから……心配しなくても、大丈夫です……。」
「そう。じゃあ、哀川さん、早く出発しないと遅れるよ。僕が。」
哀川さんが彗の心配ばかりしているせいで僕が遅れそうになる。こんなんだったら一緒に行けっていう話だけど、誰かに見られたりしたら嫌だから。
「う、うん!彗君、変な人きても出ちゃダメだからね!あ、澄君だったらいいから!あと、戸棚のお菓子は食べていいからね。」
「哀川さん、彗も中学生だからわかると思うけど……。」
お母さんみたいなこと言ってるけど、身長的にお母さんに見えない。

「じゃあ、行ってきます!」
「うん。」
「……頑張って、下さい…。」


それから、数分後に僕は出発する。
「螢兄さんは、行かないの…?」
「……同居バレたくないでしょ。」
「あ、バレてないんだ……。じゃあ………、付き合ってるのは、バレてるの…?」
「え?僕と哀川さんが?」
そんなふうに見られてるのか…。

「別に付き合ってないよ。」

ただ僕が一方的に恋してるだけ。
「…そう………。」
それだけ言ってゲームに目を移す彗。
< 52 / 122 >

この作品をシェア

pagetop