ワケありルームシェア 2
そして、夕方。涼しくなってきた。
「彗君は、ゲーム以外でやりたいことある?」
「えっ…………、特に、無いです…。」
「ゲームばっかやってるとゲーム脳になるよ。」
「…テストの点は、いい方だから………。」
哀川さんがゲームしかしない彗の心配をして声をかけた。だけど、ゲーム大好きな彗はゲーム以外にやりたいことは無いらしい。
「本当にないの?外でもいいんだよ?緋山君も付いてきてくれるよ?」
僕も?とか思ったけど、特にやることがないから別にいい。
「外……。」

_______________強いて言うなら、バレーの練習が、したい………。

そう言った。僕の方を見て。
「バレー?いいよ!でも、なんで?」
「…夏休み明けに、体育で、やるらしいから……。テストを…。」
バレーのテスト。僕の通っていた中学校、今彗が通っている中学校の名物だ。うちの中学校はバレーの強豪校だったから。
「彗君はバレー部?」
「…違うけど………、澄兄さんがバレー、上手かったから………。」
「そっかぁ。じゃあ、公園で練習する?…でも、私がうまく教えられるかは、分からないけど。」
「……ありがとうございます。」
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