ワケありルームシェア ２

莎駆先輩のあんな声初めて聞いた。
「どうしたんだろう…。」
切羽詰まったような声。

すると、病室の扉が開く。
「ごめんねぇ、僕が怒鳴っちゃって。うるさかったよね。」
「理駆、怒られた。」
２人並んで部屋に入ってくる。
え、怒鳴ってたのは理駆先輩？
「理駆にしては声が高かったよねぇ。」
「つい声が裏返っちゃって。」
そうやって笑う理駆先輩。



「…澪月姉さん、あの男の人、嘘付いてる………。」
彗君がそういったのは帰り道。
「え…？」
「あの声……、双子の女の人の、声だった…。」
「僕もそう思うけど。」
「でも、声が裏返ったって。」
「本当かはわからないでしょ。」
うーん、そう言われたって…。疑うのは、嫌だなぁ。

そして、炎天下の中家に帰る。よし！帰ってからのバイトも頑張ろう！