ワケありルームシェア ２

店の中は多くの物で溢れている。

「彗君、どこにあるか分かる？」
「分からない…。」
「店員に聞いたら…？」
そう言うと哀川さんは固まった。彗は首をぶんぶん振っている。
「わ、私は…、えっと、聞けたら聞きたいけど…頭真っ白になって喋れなくなる……から…………。」
だんだん声が小さくなっていく。まぁ、哀川さんは仕方がないよね。
「彗は…？」
「…俺、知らない人と、話せない……から………。」
こうなると絶対僕が店員に聞きにいかなくちゃいけない。
「じゃあ、僕行ってく、」
「わ、私が行く！」
声を上げたのは哀川さん。
「私も少しでも話せるようになりたいから……。そうしないと、大人になってから大変だから…。」
「…そう。じゃあ、僕は付いていくだけだからちゃんと聞いてね。」
「ちゃ、ちゃんと付いてきてね。」
「ん……。」