ワケありルームシェア 2



「ねぇ、なんで連れてきたの。」

「ご、ごめんね…。家の前で待ってたから…。話聞いたら緋山君に用があるみたいで。」
「なんで兄ちゃん入れなかったんだよぉ、悲しかったぞ。」

哀川さんが兄さんを部屋に入れた。
「ねぇ、お盆にまでは帰ってこないんじゃないの。なんでこんなに早いの。」
「螢に会いたくて早く終わらせた。」
真顔で答える兄、瑶。

「まさか、螢の家に女の子がいるなんて思わなかったなぁ。彼女だろ?教えてくれたら良かったのに。」
「彼女じゃないけど。」
まぁ、好きなんだけどね。
「じゃあ、なんでここに来たんだ?」
兄さんは不思議そうな顔で聞いてくる。どうやって答えたらいいんだろう。哀川さんもどうしたらいいのかと、僕の方をチラチラと見てくる。バレたくないんだけど、いつかはバレるよね。

「はぁ、……………兄さん、落ち着いて聞いてよ。」


手違いで一緒にルームシェアしていることを一から順番に丁寧に話した。

「それは悪かったね、えっと……。」
「あ、哀川澪月です……。」
哀川さんにいたっては初めて合うということと成人しているということが重なって僕の時と比べ物にならないくらい下を向いて、目を合わそうとしない。そして、聞こえるか聞こえないかくらいの声で名前を述べる。
「そっかそっか。澪月ちゃんね。しっかし、螢と一緒に住んでるなんてなぁ。」
大丈夫だった?と哀川さんに聞く兄さん。なんの心配をしているのかはわからないけど。

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