幼馴染の彼～あの日の約束～

「ご馳走様でした。また、遊びに来るわ。あ、智弥こっちに一人暮らし始めたの。怜美ちゃん、これからいろいろよろしくね」


「お邪魔しました」


「こちらこそ、ケーキご馳走様。智ちゃん、今度うちのお父さんがいる時にも遊びに来てね」


　ちょっと、何を言い出すんだ、この人は！？
　お母さんの体を肘で突いていると、智弥はにっこり笑って「えぇ、ぜひ」なんて返事するから、お母さんは嬉しそうにうんうんと頷いてみせる。

「じゃあ、怜美、これからよろしく」

　智弥の冗談まがいの挨拶で、２人は帰っていった。

「よろしく、だって」

　お母さんがうふふと笑いながら、リビングに戻っていく。
　私はどう対応していいものか悩みながら、小声で

「もぅ・・・」

　と、言うのが精いっぱいだった。