幼馴染の彼~あの日の約束~

気になる彼

「あっ」

 会社の終了チャイムと共に、何気なく携帯に視線を落とすと1件の新着メールが届いていた。
 誰からだろうと、メールを確認すると、智弥からだった。

『今から、夕食。よければ一緒にどう?』

 珍しく定時で終わって、予定もないけど・・・
 少し悩んでから、まぁ、いっかと思い返信する。

『じゃあ、駅で待ち合わせ』

 と、すぐに返事がきた。
 

 待ち合わせ場所の駅へ行くと、すでにスーツ姿の智弥がいた。
 遠目とはいえ、スーツ姿の智弥もかなりかっこいい。そう思っているのは私だけではないらしく、さっきから通りすがりの女性たちが、智弥を見ていく。
 そんな視線を気にすることもなく、智弥は私に気が付くと、軽く手を挙げて近寄ってきた。

「よっ、急に悪いな」


「ううん、いいよ」


「今日は早く終わったんだけど、一人で帰って夕飯って気分じゃなくて。かといって、こっちは来たばかりでよくわからなかったから助かったよ」


「なるほど。何か食べたいものある?」


「んー。今日はまかせるよ」


「了解。じゃ、行こ」

 私たちは繁華街に向かって歩き出した。



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