幼馴染の彼~あの日の約束~
 イタリアンのお店に着いて、中を覗くと店員さんがすぐに席へと案内してくれた。
 平日でもすぐに満席になってしまうから、心配していたけど時間帯がまだよかったらしい。
 それでも店内はすでに半分くらいのお客でうまっていた。

「おー、いい店じゃん。よく来るの?」


「時々、会社のメンバーで来るの」

 なるほどねと言いながら、智弥はスーツの上着を脱ぎながら、席についた。

 2人でメニューを覗きながら、どれがおススメ?、これかな、なんて話しながら決め注文すると、ホッと息をつく。
 
周りを何気なく見れば、平日の夜ということもあってか、OLや女子学生らしき若い女性客が目立つ。その何人かの人たちが智弥に気が付くと小さな声でざわついている。

「ねぇねぇ、あの人超かっこよくない?」

「ほんとだ、モデルかな?」

 チラチラ見ては、話している。一緒にいる私も悪い気がしない。軽い優越感に浸るってこういうことなのかな
なんて思って。
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