幼馴染の彼~あの日の約束~
 その後、食事を終え、電車に乗り同じ駅で降りた。

 歩いて5分くらいのところで。

「ここ、俺の住んでるマンション」


「ここって・・・・」

 見上げれば、そこには最近できたばかりの高級マンションがそびえ立っている。
 駅から5分の好立地条件!!とつい最近までCMしていたことを思い出す。確かに5分だ・・・。

 駅から近いとはいえ、閑静な住宅街の一角にあるし、スーパーやコンビニも併設されているから生活もしやすそう。ジムもあるっていってたような。

「随分、いい所に住んでるのね。正直驚いたわ。さすがエリート」


「まぁ、家賃は半分会社で負担してくれてるからね」

 たとえ半分会社で負担してくれたとしたって、私はとても家賃が払えないであろう。いや、家賃は払えたとしても生活できないというのが正解か。

 部屋から見る夜景は中々のもだと説明する智弥に、「そうですよね、こんな立派なマンションから見える夜景はさぞかし絶景でしょうね」と心の中で突っ込みを入れてしまった。

「・・・寄ってく?」

「え!?」

 ん、と親指を1本挙げてマンションを指しながら問いかけてくる。
 思わず、首と両手を横に振りながら

「今日は遠慮しとくよ!明日も仕事だし!」

 ちょっと慌てて答えてしまったせいか、いつもより大きな声で断ると、智弥も納得したようで

「だよな」

 一言だけ返してきた。でも、その表情は少し残念そうに見えたのは私の気のせいか・・・

「じゃあ、おやすみ」

 といって、手を軽く振って歩き始める。

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