幼馴染の彼～あの日の約束～

「もしかして、待っててくれたの？」


「うん。誰かに送られるの嫌だなと思って」

　駅に向かって歩きながら、そんな会話をする。


「みんな、別方向だから、帰りはいつも１人だよ」


「そっか、知らなかったし。まぁ、俺は同じ方向なんだから一緒に帰れるよな」

　まぁ、そうだけど、そういう問題じゃないような気がするんですけど・・・
　わざわざ、待ってるなんて、さっきのこと少し気にしてるのかな。

　ちらっと、智弥の横顔を見上げるが、特に気にしてる様子もなく。
　ただ、一緒に帰りたかったのよね。

　そう、納得して私たちは帰った。