幼馴染の彼~あの日の約束~
 水曜日の昼休み。
 真子とランチしながら、会話が弾む。
 
「あ、そうだ」

 何かを思い出したのか、真子が箸を止める。

「怜美、今週の金曜日、予定空いてる?」


「えっ」

 今週の金曜日という言葉に一瞬、驚く。
 その表情に真子も「えっ」と驚いてみせた。

「あー・・・うん、ごめん。その日は予定がある」


「そっかー。一歩遅かったか・・・あ、それって実家に帰るとか?」


「ううん、違うけど・・・なんで、そこで実家が出てくるわけ?」


 私の言葉に真子がまた驚いてみせた。
 一体、今週の金曜日に何があるっていうんだ。

「だって、毎年、実家でお祝いしてもらうって言ってるじゃん。この年にもなって、もういいかげん、恥ずかしって」


「お祝い?」


「怜美、あんた、まさか、忘れてる?」


「何を?」


 何をって・・あんた・・・と言いながら、真子が大げさなくらい、大きな溜息をついた。

「誕生日でしょ!27歳のバースーデー!」

「あ!」
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