幼馴染の彼~あの日の約束~
「ん・・ちょ・・まっ、待って、智弥・・・」


「・・・何」


 軽く抵抗する私に、智弥はキスを続けたまま、手の動きも休めない。

「まっ・・・待って!」

 少し焦りを感じた私に、ようやく智弥は動きを止めると、軽く眉間に皺をよせた。
 今更、何、と言いたげな表情だ。

「わ・・・私っ・・・ここから先は初めてなの・・・・」

「え・・・ここから先って・・・」

 顔を真っ赤にしているであろう私の顔を覗き込みながら、智弥は呟いた。
 
 過去、男性と付き合ったことはある。キスは経験済みなのだが、短大出身ということもあってか、男性との免疫が少ない分、それ以上先のことになると怯んで、先に進まなかった。

 急に、ふわりと体が浮いた。
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