幼馴染の彼~あの日の約束~
「きゃっ!」

 思わず小さな悲鳴を上げると、智弥に抱きついた。

「お姫様抱っこ。してもらいたかったんだろ?」

 智弥は嬉しそうにそういって、軽々しく抱き上げると歩き出した。

「そんなこと、お願いした覚えないけど!?」

 降ろしてといっても、智弥は完全スルー、そのまま奥の寝室へと向かった。
 

 1人で寝るには広すぎるベッドに優しく降ろされ、キスの嵐が降りてくる。


「あ・・・ん・・・と、ともやぁ」


「そんなかわいい声で呼ばれたら、理性吹っ飛ぶから。優しくできなくなったら困るだろ?」

 智弥のキスが顔から首すじ、鎖骨から胸へとどんどん落ちていく。
 何もかもが初めてで緊張していた私の体も、気持ちよさと智弥のペースにだんだん解されていって、なにも考えられなくなっていった。


「愛してるよ。怜美」

 そういって、完全に解された私の中へと、智弥が入ってきた。


「ん!」


「痛い?・・・ゆっくり動くから、痛かったら言って・・・止めることはしないけど」


 痛くないと言ったら、嘘になる。
 痛い、痛いけど、智弥の愛情だと思えば、その痛みにも耐えられた。

 智弥のぬくもり、熱いくらいだ。
 荒い息遣い、それとは反対に優しい動き。


 今、私は智弥に全身で愛されていることを実感した。

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