幼馴染の彼~あの日の約束~
気分が晴れないまま月曜日。
真子と会社へ出勤すると、会社の入り口近くから少し離れて壁に寄りかかっている男性がいた。
智弥だ。
濃紺のスーツに身を包み、会社の入り口に吸い込まれていく人達をぼーと見つめていた。
そんな立ち姿さえ、かっこいい彼を会社の女性達がチラチラと見ては頬を染めていく。
「もしかして・・・彼?」
真子の質問に黙って頷く。
智弥だって仕事なのに朝からこんなところで私を待っているなんて。いくら同じ地区の職場だとしてもそろそろ向かわないと遅刻になるだろう。
案の定、時間がないのか腕時計を見ては溜息を吐いている。
本当なら声をかけたい。早く仕事に行きなよって言いたい。
いつもみたいに笑ってくれたら、抱きしめてくれたら。
頭を大きく振って、現実に戻す。
「真子、私、裏口から行くから」
「えっ・・・」
少し遠回りになる入り口に向かって私は小走りで、智弥を背後にして振り向かずに走った。
真子と会社へ出勤すると、会社の入り口近くから少し離れて壁に寄りかかっている男性がいた。
智弥だ。
濃紺のスーツに身を包み、会社の入り口に吸い込まれていく人達をぼーと見つめていた。
そんな立ち姿さえ、かっこいい彼を会社の女性達がチラチラと見ては頬を染めていく。
「もしかして・・・彼?」
真子の質問に黙って頷く。
智弥だって仕事なのに朝からこんなところで私を待っているなんて。いくら同じ地区の職場だとしてもそろそろ向かわないと遅刻になるだろう。
案の定、時間がないのか腕時計を見ては溜息を吐いている。
本当なら声をかけたい。早く仕事に行きなよって言いたい。
いつもみたいに笑ってくれたら、抱きしめてくれたら。
頭を大きく振って、現実に戻す。
「真子、私、裏口から行くから」
「えっ・・・」
少し遠回りになる入り口に向かって私は小走りで、智弥を背後にして振り向かずに走った。