幼馴染の彼~あの日の約束~
「・・・・今なら、できそうね。お姫様にしてくれそう」

 そう答えると、智弥はははっと笑う。

「やっと、約束思い出してくれたか。随分遅かったな」

「ごめんね」

 智弥は優しく微笑んでくれた。

 智弥はあの日からずっと約束を覚えていてくれたらしい。引っ越ししてもずっと。

 でも、中学に上がっても、身長もなかなか伸びず、いつまでももやしのように白くて細い。

 真剣に悩んだ時期もあったらしい。こんなんじゃ、約束が果たせないと。

 父親に相談したら、成長期が遅いだけだと言われた。

 実際、智弥の父も同じだったらしく、高校にあがってから急に成長して、男らしい躰になったらしい。

 遺伝だからと言われたが、その時の智弥は半信半疑だった。
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