幼馴染の彼~あの日の約束~
「結婚しよう。怜美」

「・・・智弥」

「今更だって思うかもしれないけど、改めてプロポーズしてなかったから」

「よろしく」

 怜美は照れくさそうに小さな声で答えた。

 肩を抱き寄せて、そっと口づけをした。

「ママ~、あそこのお兄ちゃんとお姉ちゃんもキスしてるよ!」

 その言葉にはっと我に返る。

 ここが観光地である軽井沢にいたことも忘れ、どっぷり2人の世界に入ってしまっていたのが悪いのだが。

 何人かの人たちに微笑ましく見つめられ、知らない外人には口笛を鳴らされた。

 私たちは逃げるようにその場を去った。
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